
アクリルスタンドやアクリルキーホルダーなどのオリジナルグッズを作りたいとき、イラストを自分で描く代わりに生成AIを使いたいと考える方が増えています。ただし、生成AIで作成したイラストをそのまま入稿データとして使ってよいのかどうかは、判断に迷うポイントです。結論から言うと、著作権・利用規約・印刷用の画質という3つの観点をあらかじめ確認しておけば、生成AIイラストを入稿データとして活用することは十分に可能です。本記事では、初めて生成AIイラストでグッズ制作を検討する方に向けて、押さえておきたい確認ポイントを整理します。
生成AIイラストを入稿データに使う際の基本的な考え方
生成AIイラストとは、画像生成AIサービスにプロンプト(指示文)を入力して作成されたイラストのことを指します。近年は画質や表現力が向上しており、印刷用の入稿データとして問題なく使えるレベルのものも増えてきました。一方で、生成AIイラストは「手描きのイラストをスキャンしたデータ」とは性質が異なる部分があります。学習データの成り立ちや著作権の扱いが従来のイラストと異なるため、入稿前に確認すべき事項も変わってくるのです。まずはこの違いを理解したうえで、次に挙げる確認ポイントを順に見ていきましょう。
著作権・利用規約の確認ポイント
生成AIイラストを商用のグッズ制作に使う場合、最も注意したいのが著作権と利用規約に関する確認です。生成AIは膨大な画像データを学習して新しい画像を生成する仕組みのため、生成された画像が既存の著作物と偶然似てしまうケースがあります。特定の作家の画風やキャラクターを意識したプロンプトを使った場合は、この可能性が高くなる点に注意が必要です。また、生成AIサービスによって「商用利用は可能だが権利侵害時の補償はない」「有料プランのみ商用利用可」など条件が異なるため、事前の確認が欠かせません。
利用しているAIサービスの規約を確認する
まずは使用している生成AIサービスの公式サイトで、利用規約や商用利用に関するページを確認しましょう。「商用利用可否」「著作権の帰属」「第三者の権利侵害時の責任範囲」の3点は特に重要な項目です。無料プランと有料プランで条件が分かれているサービスもあるため、自分が利用しているプランの条件を正確に把握しておくことが大切です。不明な点がある場合は、サービスの問い合わせ窓口へ確認するという方法もあります。
印刷に適した画質・解像度の確認ポイント
著作権面の確認と並行して、印刷用データとして必要な画質が確保されているかどうかも重要な確認事項です。アクリルグッズの印刷では、一般的に300dpi以上の解像度が推奨されています。生成AIサービスによって出力される画像の解像度は低めに設定されていることも多いため、そのまま入稿すると印刷時にぼやけたり、輪郭が粗くなったりする可能性があります。出力後にアップスケール(高解像度化)ツールを使って解像度を補う方法や、ベクターデータへの変換を検討する方法もあわせて確認しておくと安心です。あわせて、背景の透過処理やカラーモード(CMYKかRGBか)についても、入稿先の指定条件に沿っているかを確認しておきましょう。
生成AIで作成した画像をそのまま入稿できない理由
注意したいのは、生成AIで作成したデータはPNGやJPGなどのラスタ形式で出力されるという点です。弊社の場合、ラスタ形式のデータを、そのまま送っていただいても入稿データとしては使えません。入稿可能なデータにするためには、Adobe社のグラフィックデザインソフト(IllustratorまたはPhotoshop)、もしくは一部商品で利用できるオンラインのデザインエディタを使い、自身で入稿データを作成する必要があります。
IllustratorまたはPhotoshopには入稿用のテンプレートが商品ごとに用意されているため、テンプレートを開いたうえで生成AIによる画像を取り込めば、比較的スムーズに入稿データを準備できます。

入稿前のチェックリスト
ここまでの内容を踏まえ、入稿前に確認しておきたい項目を整理すると、次のとおりです。
- 使用した生成AIサービスの利用規約で、商用利用が許可されているか
- 既存の著作物やキャラクターと類似していないか
- 解像度が300dpi以上を目安に確保されているか
- IllustratorまたはPhotoshopなどのテンプレートを使い、入稿可能な形式に変換できているか
- 入稿先が指定するファイル形式・カラーモードに対応しているか
- 背景の透過処理やカットラインなど、グッズの仕様に合わせた調整ができているか
これらの項目を事前にチェックしておくことで、入稿後の差し戻しややり直しといったトラブルを防ぎやすくなります。
まとめ
生成AIイラストを入稿データとして活用する際は、著作権・利用規約・印刷用の画質という3つの観点を確認することが欠かせません。特に著作権まわりは判断が難しい部分もあるため、不明点があれば入稿先やAIサービスの窓口に相談しながら進めることをおすすめします。事前の確認を丁寧に行うことで、生成AIイラストを使ったオリジナルグッズ制作も安心して進められるでしょう。