コスト志向型価格設定

コスト志向型価格設定とは商品などを生産する際にかかった費用(コスト)を基準に、販売価格や提供価格を決定することをいいます。比較的単純な価格設定方法なので、多くの企業でこの価格設定が採用されています。具体的には、一定の利益率(利益額)を加算する「コストプラス法(原価加算法)」、仕入原価に一定の利益率(利益額)を加える「マークアップ法」、損益分岐点分析を利用した「標収益法」などがあります。自社でかかる費用だけを基準にして価格設定できるので、独自の製品やサービスを提供している企業などにはメリットがあります。一方同業他社が多い業界では、競争業者の価格や販売量が無視されてしまうので、ユーザーニーズに対応できた価格帯かどうかがわかりづらいというデメリットもあります。これらの生産者志向の価格設定は、インターネットなどで商品と価格を比較検討が簡単にできる現代では一般的ではなくなってきており、消費者志向の価格設定が求められています。