スローフード

スローフードとは規格化・標準化された生産ではなく、その土地の風土にあった伝統的な食文化や食材、生産方法などを見直す運動、またはその食品全体をさす言葉です。1986年にイタリアにファストフード店がオープンし、「いつでもどこでも同じ味」に疑問が出てきたことから、1989年にスローフード協会が発足しました。昔から伝わる郷土料理を守る目的もありましたが、遺伝子組み換えの大量生産や、人工飼料などによる無理な畜産など、世界的な「食」の問題や危機を背景に、「ゆっくり作られた食材を丁寧に調理してゆっくり味わう」という、スローフードの概念が見直されたものです。1996年には、「スローフード法令」が発表され、「守る:消えてゆく恐れのある伝統的な食材や料理、質のよい食品、ワイン(酒)を守る」「教える:子供たちを含め、消費者に味の教育を進める」「支える:質のよい素材を提供する小生産者を守る」という3つの指針が示されています。