フォード効果

フォード効果とはイギリスの経済学者フォード(P.Ford)が提唱した、小売店数の構造変化モデルのことをいいます。1901年~1931年の30年間に渡ってイギリスの主要都市における小売店の推移を研究し、国民の所得水準と店舗数の増減の関係についての法則性を導きました。所得水準が高くなるほど店舗密度が大きくなり、小売店舗の生産性が大きくなるほど店舗数が減少するとしています。また、生活必需品を対象とする小売店では、小売店鋪の生産性向上による効果が大きくなると店舗数が減少し、買回り品などの奢侈品を対象とする店舗は、所得水準の上昇効果が大きくなると店舗数が増加するとしています。このように一定期間での小売業の構造変化に対する命題を「フォード効果」と呼んでいます。ただし、この構造変化モデルが、必ずしも日本の小売店鋪の増減に当てはまるとはいえず、流通の変化や国民性、商品の時代的な背景も相まって、すべてをフォード効果で説明することは難しいとされています。